消費者問題

認知症高齢者と消費者問題

この記事を書いたのは:戸田 裕三

 日本も高齢化社会が急速に進んでいるため認知症高齢者の消費生活相談件数は年間8000件以上に及んでいます。特に高齢者の方は資産をお持ちの方が多いので被害額は65歳以上の方の相談では平均150万円に及んでいます。

 高齢者の方の消費者被害は全国で年間950億円に及んでおり高齢者をターゲットにした悪質な団体も多数存在すると考えられます。

 このような被害に遭わないためには身近に相談できる方がおられれば良いのですが、多くは単身の高齢者の方が多く、被害にあっている認識が無いことも多いようです。被害に遭遇して相当程度期間が経過してから偶然にケアマネジャーさんなどが知って消費者センターなどに繋がることもこともありますが、氷山の一角だと思われます。

 そこで被害に遭わないためにも単独世帯の方などは信頼できる方と財産管理契約を締結して財産の管理を依頼するとともに定期的に面会して財産に関する報告を受けるなども方法もあります。

 また財産管理契約を締結しなくても将来の意思能力の低下に備えて任意後見契約を信頼できる方と予め締結しておいて、元気なうちには自分で財産を管理して意思能力が低下してきた段階で後見人に財産を預かってもらうという方法もあります。

 この場合も、意思能力が低下するまでは定期的に後見人予定者と面会して財産の管理を含めて色々な相談を行うことも可能です。意思能力が低下していても自分では気が付かない可能性がありますので、定期的に面会を実施することによって後見人予定者の方がご本人の意思能力の低下に気が付かれるということもあります。

 なお定期的に面会をする際に任意後見が始まった後の将来の希望を伝えておけば任意後見人もご本人に希望に沿った対応ができると思われます。

 なお任意後見人予定者は、ご本人の意思能力の低下時にご本人の同意のもとで任意後見の申立てを家庭裁判所に行うことができますが、任意後見人予定者がいない場合には、身近な親族や市町村等が家庭裁判所に後見人選任の申立てを行ってくれないと後見人が自動的につくことはありませんのでご注意ください。


この記事を書いたのは:
戸田 裕三