消費者問題

民法改正と保証人の責任について

2017年に民法の改正が行われて保証人に対する規制が変更となりました。今回は変更により保証人の責任がどうなるのかご説明します。

1、保証契約について

保証人を保護するため幾つかの点が改正になりました。

委託を受けて保証人となった方(個人・法人)は、債権者に対していつでも主債務者の債務弁済の遅滞の有無等を問い合わせることができます。

債権者は、弁済の遅滞等によって分割弁済中の債務者が一括払の義務を負うことになった場合には、個人の保証人にその旨の通知を行うことになっています。

①まず主債務者の債務が事業のための貸金等である場合には、原則として保証人になる個人の方に対して事前に公正証書による意思確認を行うことになりました。ただし例外がいくつかあり例えば主債務者が法人である場合に保証人になる方がその法人の役員等であれば意思確認は不要となります。

②また主債務者の債務が事業のためのものである場合(貸金等でない場合も含む)には、委託を受けて保証人となろうとする個人の方に対して主債務者は自己の財産の状況・収支の状況等の情報を事前に開示しなければなりません。

①、②は、主債務が事業のためのものである場合の規制ですが、そうでない場合でも以下の規制が課されることになります。

③委託を受けて保証人となった方(個人・法人)は、債権者に対していつでも主債務者の債務弁済の遅滞の有無等を問い合わせることができます。

④債権者は、弁済の遅滞等によって分割弁済中の債務者が一括払の義務を負うことになった場合には、個人の保証人にその旨の通知を行うことになっています。

2、根保証について

一定の範囲に属する不特定な債務を主たる債務とする保証契約(個人の場合)に関しても改正法以降は以下のようになります。

①根保証契約を行う際には必ず書面で極度額(保証の上限額)を決めなければならない。

②根保証契約の主債務が手形債務や貸金債務である場合には、保証債務額の確定する日を必ず契約から5年以内の日に書面で設定する。なお保証期間の差玉が無い場合や5年以上の保証期間が設定されている場合には、3年を経過した日に債務額が確定することとなります。

③主債務の破産・死亡等の特定の事実が発生した場合には保証債務額が自動確定します。

3、身元保証契約について

身元保証契約についても改正後以降は下記のような状況になりました。

①身元保証の上限額を書面で必ず定めます。

②保証期間の合意をする場合は上限を5年とします。更新は可能ですが、自動更新は不可能であり、新たな書面による更新合意を必要とします。保証期間の定めが無い場合は保証期間は3年に限定します。

③従業員の勤務地の変更など一定の事由が発生した場合には、保証契約の途中で保証人が保証契約を破棄することを認めます。

④従業員の勤務地の変更など一定の事由が発生した場合には、使用者は保証人に通知する義務があります。

⑤保証期間中に身元保証人が死亡した場合は、その時点で身元保証契約は終了し、その時点での実際の債務のみが相続の対象となります。

⑥訴訟で保証人の責任額が争いになった場合には保証人になった経過等を考慮して裁判所が発生した損害の中から保証人の合理的な負担額を決定できます。