相続・遺言

家庭裁判所において特別受益・寄与分の主張ができる期間の制限

この記事を書いたのは:戸田 裕三

 本年4月の民法の一部改正がありました。2023年4月までに施行される予定ですが、その中の1つに特別受益・寄与分の期間制限に関する問題があります。

 遺産相続に関して相続人間で話し合いがつかない時には、家庭裁判所の調停の申し立てを行い、その中で相続人間の寄与分や特別受益に関して話し合いを行い、場合によっては裁判所で審判を出して貰って決着を図っていました。

 今までは家庭裁判所の調停や審判において特別受益・寄与分の主張を行うことに関して期間的な制限はありませんでしたが、今回の改正で相続開始後10年以内に家庭裁判所に調停や審判を提起しないと特別受益・寄与分の主張を判断してもらえないことになりました。

 したがって特別受益・寄与分の主張をする場合には相続開始後10年以内に調停を申し立てる必要があります。

 なお家庭裁判所の介入を求めずに相続人だけの話し合いで遺産分割協議を行う場合には特別受益・寄与分の期間制限はありません。


この記事を書いたのは:
戸田 裕三